無縁墓(無縁仏)と永代供養墓

目次

無縁寺と無縁墓

無縁墓

今回は無縁墓むえんばか永代供養墓えいたいくようぼについてじゃぞ!

よろしくお願いします!

かつて日本は、無縁寺むえんでらというものが多くの寺に併設されていたんじゃ。
今でもいくつかの地方においては無縁寺が残っているんじゃが、これは無縁仏むえんぼとけ、すなわちとむらってくれる縁者のいない霊魂をまつるためのお寺じゃった。
そして、とむらってくれる縁者のいない霊魂を弔うお墓が無縁墓むえんばかと呼ばれておった。

様々な事情で家が断絶し、誰にも知られることなくあの世に旅立ってしまうことは、現代においても常にありうることじゃな。
仏教は以前からこれを大きな問題とみなし、その供養にあたってきたんじゃ。
仏教の目標は個人の救済ではなく、ひとしく人間を救うことにあるから、無縁寺の存在はそのような人間のつながりから絶たれた霊魂を救済し、無縁仏を無縁としたままにしないための、仏教なりの努力の結晶であったといえるな。

永代供養墓の普及

永代供養墓(芳賀郡・観音寺)

なぜ現代において永代供養墓えいたいくようぼが普及しているんでしょうか?

良い質問じゃのぉ!
永代供養墓は、お墓を代々継承していくことが難しい場合に供養と管理をお寺にお願いできるお墓じゃ。
例えば離婚された母親が亡くなり、残された娘様がお申込みされるケースがある。
既に嫁がれている娘様としては将来にわたって自分がお墓を守っていくことができないために選択されたんじゃ。

また、これまで代々守ってきたお墓を整理(墓じまい)して永代供養墓に移し、自分達のお墓についても生前に永代供養(墓)を申し込まれるケースがある。
お子様がいらっしゃっても、自分達のお墓のことでお子様に経済的、精神的な負担をかけたくないというのが大きな理由のようじゃ。

無縁寺から永代供養墓へ

永代供養墓が普及する以前においては、無縁寺が無縁仏の供養を行ってたんじゃ。
このような意味において、無縁寺と永代供養墓には一定の連続性が見出されるが、永代供養墓は、少子化や未婚者・離婚者の増大、経済的理由さらに仏事に関する価値観の低下など時代の変化を反映した一つの新しいお墓のあり方とみることができるじゃろうな。

無縁墓と無縁仏、そして永代供養墓は時代は違えど、仏の加護に与かり安らかにあの世に行けるよう祈る人々の心性が反映されておる。

(合掌)

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